保健室の恋人。

白いシャツ






「さーえーこーちゃーんー」


その声にハッとすると可愛い顔を歪めている坂梨有紗の姿がある。
有紗は高校に入ってからの友達であたしとは正反対の可愛い女の子。

「、ごめん。どうしたの?有紗。」



そう尋ねると有紗はポワッと顔を赤らめる。



「‥ねぇ、サエコちゃん。」


「うん、」













「佐倉圭くんってしってる?」


キョトン、
今のあたしに最もふさわしい表現。



佐倉圭、



「知ってるけど、」




「好きなの‥」





は、
は?、



「誰にも言わないでね〜!」




いやいや、
そんな事はどうだっていい。


でもね、有紗?




「いや、いくらなんでもアイツ、‥いや、佐倉くんは無いんじゃないかな?」



「応援、してくれないの〜?」



有紗の子犬の様な目にあたしは専ら弱い。



でもさ、有紗。
アイツは誰にでもキスもするし、
きっとそれ以上の事も誰とでもしてる。



だから、やめたほうがいい。



そう言いたかったけど、
言えなかった。



ましてや、昨日キスしたなんて、言えるわけもない。


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