HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「佐野部長、話は終わりですか?」
「終わりだ」
私を一瞥したと思いきや、あっさりと返してまた書類に目を通し始める。
彼は私の正体を知ってるのに、なんでそんな傲慢な態度を取れるの?
私は不思議で不思議で仕方がなかった。
「佐野部長、私が会長の孫娘だと知っているんですよね」
「…会長から頼まれた。『わしの孫娘だと言っても、特別扱いしないで欲しい』と」
「お爺様がそのようなコトを…」
「会長の意向に従い、俺は君を特別扱いしない。でも、君は俺に特別扱いして欲しいようだな」
「終わりだ」
私を一瞥したと思いきや、あっさりと返してまた書類に目を通し始める。
彼は私の正体を知ってるのに、なんでそんな傲慢な態度を取れるの?
私は不思議で不思議で仕方がなかった。
「佐野部長、私が会長の孫娘だと知っているんですよね」
「…会長から頼まれた。『わしの孫娘だと言っても、特別扱いしないで欲しい』と」
「お爺様がそのようなコトを…」
「会長の意向に従い、俺は君を特別扱いしない。でも、君は俺に特別扱いして欲しいようだな」