HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「優奈と結婚しても、社長の椅子なんて手に入らないわよ!私の父が許さないわ!!」



「私は別に…佐野部長との婚約を承諾したワケじゃない。部長が身勝手に婚約者を気取っているだけ。安心して…亜矢子さん」




私と亜矢子さんは親戚同士。



親戚同士の私達が、男のコトでトラブルを起こすなんて。


お爺様が亡くなれば、私の後見人は常務。常務には余り頼りたくないのが本音だけど。



所詮、佐野部長は亜矢子さんを捨てて、社長の椅子が目当て私の婚約者になった男。私を本気で愛してるのかどうかは判らない。それに赤の他人だ。

社長になれなければ、部長が私の婚約者になった意味がない。



肌を重ね、心も部長に傾いているが私達の間には信頼感がない。


今の私達の関係はカラダだけの関係。



部長の野心的な愛に縋るよりも、部長に対するキモチをバッサリと断ち切ってしまったの方が賢明だと思う。




彼は社長の椅子を手にさえすればいい。



彼が私の婚約者になったのはそれだけの理由だ。



私じゃなくてもいいんだ。




私は私でなければいけないと言ってくれる男は欲しいんだ!!



カラダでモノを言わす男なんて要らない!!
















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