HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「長尾君!!」



長尾君が前日から寝袋で泊まって、お花見の場所取りをしてくれていた。



社内ではワックスで整えられている長尾君の髪が今朝はサラサラだった。



プライベートな長尾君の姿に親近感が湧く。



「佐野部長の指示通り…場所は取っておきました」




「ご苦労だった…長尾」



柾史は肩に提げていたクーラーボックスをおろして、中から冷えた缶ビールを長尾君に渡した。





「みんなはまだ来てないようだな」



「部長と羽瀬さんが一番乗りです」



私と部長は長尾君の場所取り用に敷いていたブルーシートの上に腰を下ろした。


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