HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
柾史は私をジロリと睨んで、『お前のせいだ』と訴えた。
井上さんがこれほどまでに空気の読めないタイプの女性だったとは知らなかった。
「羽瀬、屋台で串ステーキ買ってきて」
持田課長が私に頼んで来た。
「わかりました」
「俺も付いて行くよ」
私と長尾君はパーティの席を離れる。
「長尾君…スーツよりもGパン姿の方がいいね」
「俺、スーツ似合ってないと自分でも思ってる」
ガタイが良くて胸板の厚い長尾君。その体型で細身のスーツを着るからだと思うけど。
「細身のスーツじゃなく、もう少しゆったりとしたスーツを着たら大丈夫だよ」
私はさりげなくアドバイス。
「そうかもな…今度、スーツ買いに行く時、気を付けるよ」
長尾君は柔らかい笑顔を浮かべる。無口なイメージのあった長尾君。
それは人見知りのせいで、相手に心を開けば、素直で優しい男性だった。
「あっちは焼き肉、向うは焼きそば焼いてるよ」
公園は美味そうな匂いで充満していた。
公園の入り口に立ち並ぶ屋台。
「持田課長の言っていた串ステーキってどれかな?」
「あれじゃない?」
「本当だ。あれだ!」
「羽瀬お前、本当に佐野部長と付き合ってるのか?」
「そうだけど…」
「ふうん…井上も佐野部長にマジなようだな」
井上さんがこれほどまでに空気の読めないタイプの女性だったとは知らなかった。
「羽瀬、屋台で串ステーキ買ってきて」
持田課長が私に頼んで来た。
「わかりました」
「俺も付いて行くよ」
私と長尾君はパーティの席を離れる。
「長尾君…スーツよりもGパン姿の方がいいね」
「俺、スーツ似合ってないと自分でも思ってる」
ガタイが良くて胸板の厚い長尾君。その体型で細身のスーツを着るからだと思うけど。
「細身のスーツじゃなく、もう少しゆったりとしたスーツを着たら大丈夫だよ」
私はさりげなくアドバイス。
「そうかもな…今度、スーツ買いに行く時、気を付けるよ」
長尾君は柔らかい笑顔を浮かべる。無口なイメージのあった長尾君。
それは人見知りのせいで、相手に心を開けば、素直で優しい男性だった。
「あっちは焼き肉、向うは焼きそば焼いてるよ」
公園は美味そうな匂いで充満していた。
公園の入り口に立ち並ぶ屋台。
「持田課長の言っていた串ステーキってどれかな?」
「あれじゃない?」
「本当だ。あれだ!」
「羽瀬お前、本当に佐野部長と付き合ってるのか?」
「そうだけど…」
「ふうん…井上も佐野部長にマジなようだな」