HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「柾史…」



私はドアを開けて、ひょこっと顔だけを先に突っ込んで柾史を呼ぶ。



「んっ?」




節電の為に天井の照明は全て消され、デスクライトの光の下で柾史はパソコンのキーを叩いていた。




「何だ…女子会は終わりか?」



「うん」


「楽しかったか?」


「うん」



「残業、大変?」




「別に…俺ももう少しで終わる…」



デスクの端に置かれたコンビニ弁当の空箱。




「これ、差し入れだけど、食べる?」




私は柾史におにぎりと缶コーヒーを渡した。



「おにぎりにコーヒー?」


「文句は言わないでよ…」


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