HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「期待なんてしてないわよ」



向きに言えば言うほど、柾史の皮肉に顔を歪ませていった。



柾史は立ち上がって私を抱き締めて、唇を寄せる。彼の指先が頬を優しく撫で、熱いキスを落とされる。彼の唇は本当に甘く柔らかいし、口内に侵入する舌は温かい。



駆け出した鼓動はなおも加速を続けてていく。



酔っていた私の身体には彼のキスは毒だ。




冷めたはずの酔いが再び戻ってきて、眩暈を起こしそうになる。




「んっ?」




彼はキスしながら、私の太腿をストッキング越しに撫で上げて、淡いピンク色のスカートの中に右手を滑り込ませて来た。




身体はビクンと一瞬反応して震えたが、抗議する意思はない。




彼はスカートではなくキュロットスカートだと気づいて、手の動きを止めた。








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