HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
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佐野部長に頼まれたパース作成を半分残して、時刻は12時、ランチタイムに突入した。
研修で仲良くなった井上麻乃(イノウエマノ)と食堂で落ち合った。
「井上さんは経理課か・・・」
「羽瀬さんはいいわね…佐野部長と同じインテリア室でしょ??」
井上さんの口から佐野部長の話題が出るなんて、彼は社内では有名人らしい。
「佐野部長ね…あの人は人を見てコロリと態度を変える嫌な男よ…」
私は揶揄を含め、羨ましがる井上さんに返した。
「羽瀬さん、後…」
「後ろ?」
私が不意に後ろを振り向くと、佐野部長が私と同じ白身魚フライのランチセットを持って立っていた。
「羽瀬…俺が何だって?」
佐野部長は笑顔で私に問いかける。その笑顔は一発で作り笑いだと気づくぐらい、ワザとらしかった。
彼の瞳は私を射るように見つめている。
佐野部長に頼まれたパース作成を半分残して、時刻は12時、ランチタイムに突入した。
研修で仲良くなった井上麻乃(イノウエマノ)と食堂で落ち合った。
「井上さんは経理課か・・・」
「羽瀬さんはいいわね…佐野部長と同じインテリア室でしょ??」
井上さんの口から佐野部長の話題が出るなんて、彼は社内では有名人らしい。
「佐野部長ね…あの人は人を見てコロリと態度を変える嫌な男よ…」
私は揶揄を含め、羨ましがる井上さんに返した。
「羽瀬さん、後…」
「後ろ?」
私が不意に後ろを振り向くと、佐野部長が私と同じ白身魚フライのランチセットを持って立っていた。
「羽瀬…俺が何だって?」
佐野部長は笑顔で私に問いかける。その笑顔は一発で作り笑いだと気づくぐらい、ワザとらしかった。
彼の瞳は私を射るように見つめている。