HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「コーヒーご馳走様でした。佐野部長」
「コーヒー位なら、いつでも奢るから…井上さん」
佐野部長は、断りもなしに一緒にランチを食べなおかつコーヒーを奢る振りをして、私と井上さんの貴重な昼休みの邪魔をし続けた。
その後も私達に付き纏い、私と一緒に井上さんをエレベーターホールまでお見送りした。
井上さんの頭の中には、佐野部長はとっても部下に優しい上司として見事にインプットされていった。
二人になった途端、佐野部長は不遜な表情を浮かべる。
「これは今朝の復讐ですか?」
「別に…」
くぐもった声で返すとエレベーターのボタンを操作し始める。
「それよりも昼休みは終わった。社長室行くぞ」
「はい?」
「聞えなかったか?」
佐野部長は私の耳許で囁き、ワザと息を入れた。
「ひゃあ…」
佐野部長の息が私の鼓膜を擽り、不覚にも声を漏らす。
「お前、耳が弱いのか…」
「…ワザと息入れたでしょ?」
「だから何?」
私の詰りを諸共せず、逆に逆切れした口調で問いかける。
「コーヒー位なら、いつでも奢るから…井上さん」
佐野部長は、断りもなしに一緒にランチを食べなおかつコーヒーを奢る振りをして、私と井上さんの貴重な昼休みの邪魔をし続けた。
その後も私達に付き纏い、私と一緒に井上さんをエレベーターホールまでお見送りした。
井上さんの頭の中には、佐野部長はとっても部下に優しい上司として見事にインプットされていった。
二人になった途端、佐野部長は不遜な表情を浮かべる。
「これは今朝の復讐ですか?」
「別に…」
くぐもった声で返すとエレベーターのボタンを操作し始める。
「それよりも昼休みは終わった。社長室行くぞ」
「はい?」
「聞えなかったか?」
佐野部長は私の耳許で囁き、ワザと息を入れた。
「ひゃあ…」
佐野部長の息が私の鼓膜を擽り、不覚にも声を漏らす。
「お前、耳が弱いのか…」
「…ワザと息入れたでしょ?」
「だから何?」
私の詰りを諸共せず、逆に逆切れした口調で問いかける。