HONEY TRAP（１）~上司は身勝手な婚約者~

「吉良さん、嫌いなモノはないですか？」



「何でも食べるよ。猫の餌缶でも食べる」



「はぁ？」



「猫用に作られているけど、人間が食べても美味しいんだよ！！」



吉良さん…チャレンジャー…



私達は服を着て、一緒に買い物に行こうと玄関先に向かった。



吉良さんが私の部屋にあった小さな持ち手付きの籐カゴにアリエッタを入れた。




「アリエッタは怖がりだから、揺らさないように持たないとね」



吉良さんは猫に過剰な程気を配る。




「猫は本当にスキなんですね…」



「優奈ちゃんのコトもスキになるように努力するよ」



「え、あ…ありがとうございます」