HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「だから、優奈ちゃんも努力して…」



「あ…それって…」



「…他の人をスキになるしか忘れる方法は無さそうだから…優奈ちゃんだって柾史のコト忘れたいんだろ?」



忘れられたら、いいけど…


彼は隣の住人で、会社の上司だし。



柾史と付き合っていた日々は泡沫の夢のよう。


ほんの1ヵ月半程の話だけど、蜜な日々を過ごし、楽しかった。



ドアを開けて外に出た。


「あ…」



外に出ると丁度、柾史がエコバックを肩に提げて帰宅する所だった。

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