HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
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私は六本木の『アマンド』前で吉良さんと待ち合わせをした。


『アマンド』は戦後まもなく創業し、六本木に店を構えた洋菓子店。

ガラス越しに見えるショーケースの中のケーキはどれも美味しそうで、甘いの匂いを漂わせる。


「ゴメンゴメン」



吉良さんが人ごみをかき分けながら駆けて来た。



「私の方こそ…ゴメンなさい…」



吉良さんは紺のストライプ柄のスーツに淡いピンクのÝシャツ姿。


肩で息をしながらも私の頬を優しく撫でてくれた。




「会社で何かあった?」



「いろいろと…」



言葉を濁し、二人で雑踏の中を歩く。


吉良さんが案内した店は路地裏の隠れ家的な場所にある小さなBAR


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