HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
買い物を終えて、後部座席に差し入れの入った袋を置いて行く。
「部長、私…会社を辞めようと思っています」
「どうして?」
「…私、部長と一緒に仕事は出来ません…」
「優…奈」
柾史はまた…寂しそうに私を見つめる。憂いに満ちた柾史の瞳は私を惑わせる。
私はプイッと柾史から顔を逸らし、背中を向ける。
「まぁ、乗れ…続きは車の中で訊く」
柾史の言葉で、私達は車内に乗り込んだ。
ハンドルに両手を乗せる柾史。
「『オウミ』はお前の一族が経営している会社だ。辞める必要ないだろ?」
「貴方だって何れ…亜矢子さんと結婚すれば、一族の仲間入りを果たす」
二人の結婚は既に6月28日と決まっていた。余命幾ばくもないお爺様を参列させる為に二人の結婚式を急いでいた。
「部長、私…会社を辞めようと思っています」
「どうして?」
「…私、部長と一緒に仕事は出来ません…」
「優…奈」
柾史はまた…寂しそうに私を見つめる。憂いに満ちた柾史の瞳は私を惑わせる。
私はプイッと柾史から顔を逸らし、背中を向ける。
「まぁ、乗れ…続きは車の中で訊く」
柾史の言葉で、私達は車内に乗り込んだ。
ハンドルに両手を乗せる柾史。
「『オウミ』はお前の一族が経営している会社だ。辞める必要ないだろ?」
「貴方だって何れ…亜矢子さんと結婚すれば、一族の仲間入りを果たす」
二人の結婚は既に6月28日と決まっていた。余命幾ばくもないお爺様を参列させる為に二人の結婚式を急いでいた。