HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
柾史は薔薇が咲き乱れたベンチに私を座らせる。



入籍は周囲に言ったけど、妊娠の事実が言ってなかった。顔色の悪さを悟られないようにメイクも厚めにしたのに、柾史には気づかれてしまった。




「大丈夫か?」



「はい」



「…お前…吉良と入籍したんだな…」



「はい」




柾史も私の隣に腰を下ろして来た。




「披露宴に戻った方がいいと思いますけど」




「お前に言われなくても判ってる…お前、どうして結婚した?俺への当てつけか?」




「違います!」




「優奈のお腹には俺の子供がいる…だから、入籍した」



恭介は忽然と姿を現した。




「子供?」



「悪阻で気分の悪い優奈のコトを心配して様子を見に来た」







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