HONEY TRAP（１）~上司は身勝手な婚約者~

「今日、神様の前で愛を誓ったと言うのに…不謹慎な男だ」



「恭介…」




「別に優奈の元カレを悪く言うつもりはないけど、少しくらい、嫉妬心を見せておかないとね…」



恭介は緩い笑みを口許に見せ、私の肩を抱いた。



「もう、いいだろ？気分が悪いと言って帰ろう…」



「うん」




私達は私の妊娠で入籍…結婚した。

でも、恭介は無理に私を愛そうとしているような気がする。積極的に父親の自覚を見せるのも何処か演技に見えていた。



私も恭介の子供を身ごもりながらも、柾史のタキシード姿に鼓動を高鳴らせた。


他の人には見えなかった私の調子の悪さを見抜いた柾史を嬉しく思っていた。



私も恭介と同じかもしれない…