HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「優奈…綺麗だ」
目の前のお爺様が私の亡くなった両親の代わり。
私の門出を祝福する為に…末期癌で蝕まれた身体を引き摺りながら、式に車椅子で列席してくれた。
癌で可哀相なくらいやせ細ってしまったお爺様。
「お爺様…私をここまで育ててくれてありがとう…」
「本当に綺麗だ…」
お爺様は骨と皮だけの指先を私に伸ばした。
12年前の私をすっぽりと包んだ大きな身体と温もり。お父さんと同じ男性の強さを感じていた。
でも、今は私がお爺様の身体を包み込めてしまうくらい小さく弱々しくなっていた。
握った手の温もりは冷たい。
お爺様が私の元から旅立ってしまう日が近いのだろうか?
目の前のお爺様が私の亡くなった両親の代わり。
私の門出を祝福する為に…末期癌で蝕まれた身体を引き摺りながら、式に車椅子で列席してくれた。
癌で可哀相なくらいやせ細ってしまったお爺様。
「お爺様…私をここまで育ててくれてありがとう…」
「本当に綺麗だ…」
お爺様は骨と皮だけの指先を私に伸ばした。
12年前の私をすっぽりと包んだ大きな身体と温もり。お父さんと同じ男性の強さを感じていた。
でも、今は私がお爺様の身体を包み込めてしまうくらい小さく弱々しくなっていた。
握った手の温もりは冷たい。
お爺様が私の元から旅立ってしまう日が近いのだろうか?