HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「私は近江家を出た人間です。お爺様の残して下さったモノは他にもありますし、それだけで十分です」
「何があるんだ?」
「お爺様の深い愛情です」
「優…奈!?」
優奈はお金よりも生前に受けた前社長の愛情だけを貰うつもりでいた。
「本当にそれでいいのか!?」
「はい」
隣の椅子に座って黙って訊いていた吉良が口を開いた。
「近江家のように莫大な財産は有りませんが、俺もそれなりに預金はあるし、優奈には苦労を掛けさせないように努めます。近江部長…何も心配なさらず…このままお引き取り下さい」
「何があるんだ?」
「お爺様の深い愛情です」
「優…奈!?」
優奈はお金よりも生前に受けた前社長の愛情だけを貰うつもりでいた。
「本当にそれでいいのか!?」
「はい」
隣の椅子に座って黙って訊いていた吉良が口を開いた。
「近江家のように莫大な財産は有りませんが、俺もそれなりに預金はあるし、優奈には苦労を掛けさせないように努めます。近江部長…何も心配なさらず…このままお引き取り下さい」