HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
会社に戻り、生崎課長の執務室を訊ねる。



「どうぞ」


生崎課長の声を待って、ドアを開けると中には亜矢子がバツの悪そうな顔で立ち尽くしていた。

亜矢子の首筋には課長とつけたと思われるキスマーク。




「別に…俺達の仲は近江部長の公認だ。疚しいと思うコトも無いだろ?亜矢子」

生崎課長は緩めたネクタイを締めながら、押し黙る亜矢子に声を掛けた。


「生崎課長…」




他の案件で多忙だと行って、俺を堀田さんの所に行かせた生崎課長。



多忙とは真っ赤な嘘で、亜矢子を執務室に連れ込んで情事にでもふけ込んでいたかと思うと責めずにはいられなかった。



「ここはオフィスだぞ!!二人で何をしていたんだ!?」




「…近江部長がキチンと夫としての使命を果たさないから…仕方がないんだ。そうだろ?亜矢子」







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