HONEY TRAP（１）~上司は身勝手な婚約者~

「私、生崎課長とは別れる。この子は貴方の子供として産みます！！私と一緒に…この子を育てて下さい」



「亜矢子お前…！？」



「生崎課長はお前を本気で愛してる！何故、お前を愛そうとしない俺を追い掛ける？」




「ここで離婚すれば…お父様は私ではなく、貴方を責めるわ！！そう言う人よ…」




「別にもう、専務の椅子なんて…どうでもいいんだ」





「柾史…貴方…会社を辞める気？」





「離婚したら、会社を退職するつもりだ…」




「そこまで、考えていたの？柾史」




亜矢子は視線を泳がせて両手で自分を抱き締める。




「どこまでも…貴方は私を拒絶するのね。酷い男よ。生崎課長は私を抱く度に何度も愛してると言ってくれた。いい男よ。でも、私は貴方を愛してるの。生崎課長に抱かれながらも、柾史のコトを考えていた…」