HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「恭介…私…」




「やはり、生物学上は近江部長の子供だったか…」




「恭介…ゴメンなさい…私…」




「誰がこんなコトをしたのか…判っている…近江部長の子であっても…戸籍上は俺の子供だ。それは変わらない…俺も自分の子供としてマー君を見るし、優奈が罪の意識を持つ必要ないさ…」




「でも…!?」




「俺のコト信じてよ…優奈」





煤になってしまった芽衣子さんの写真を見て涙を零した恭介の姿が脳裏に浮かぶ。

私は恭介に全てを捨てさせた。



彼は私に無理をして免罪符を与えているんだ。



今の私は専業主婦で生活能力はなく、マー君と一緒に一家の大黒柱となる恭介に縋らなければいけないのに。






優しい彼に甘えるコト自体が罪に思えてしまっている。











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