HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
翌朝。



夜中の授乳の寝不足で欠伸をしながらも、キッチンに立つ。



「おはよう…」



私が起こす前に恭介は起きてリビングに来た。




「朝食はまだだけど…コーヒーは出来てるわ。飲む?」



「ああ」


私達はキッチンカウンター越しに言葉を交わす。




「優奈…昨日は悪かった」





恭介の方から謝って来た。





「私…恭介の言う通り…マー君を見ていると柾史を思い出してる」




「優…奈」




「恭介の子供なら良かったのに…」


「そう言われても、俺の子供じゃない。お互いに、キモチの整理が付かないまま、結婚したのがいけなかったかな?でも、そうだからって言ってもあの時、優奈の中に芽生えた小さな命を摘めなかった。優奈にはまだ、言ってなかったけど、アメリカの本社に戻るコトになった」



「えっ!?」



「優奈は俺と一緒にアメリカに行ってくれる?」


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