HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
《5》 カラダと煙草

~優奈side~

私と部長はのんびりと食後のコーヒーを啜っていた。




「んっ?」



私は時刻を確かめようとスマホを覗き込む。




「ま、待って…このままじゃあ~今日もまた、遅刻じゃん」



「電車で行けば、遅刻だな…何、俺の車に乗せてやるから…安心しなさい」




佐野部長は慌てる私を優しく窘める。




「結構です!」



私は彼の好意を邪険に断り、コーヒーを飲み干した。



「ご馳走様でした…」




「また、あのラッシュの電車に乗って通勤するのか…今から駅前まで走っても…お前の足ではギリギリだな」


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