HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
「俺の唇を見つめて、キスがしたいのか?優奈」
「今は仕事中です。佐野部長の言葉は立派なセクハラです!」
私は語調を強めて佐野部長に返した。
溺れるようなキスをもう一度したいと心の中では考えていたけど、『キスしたい』なんて答えたら部長に好意を持っていると勘違いされてしまう。
公私混同するオトナ気ない部長を窘めるつもりでセクハラだと訴えた。
どう切り返すか…部長の次の言葉を待った。
「今日は午後から、長尾と3人で六本木の現場に行く。羽瀬お前から長尾にそう伝えてくれ」
仕事の話で返して来た。部長も少し反省したようだ。
「はい、判りました。佐野部長」
私は踵を返した。
「優奈、愛してる。仕事、頑張れよ」
「部長!!?」
不意打ちに言われたその言葉にドキンとした。
私が振り返ると部長はノートパソコンに顔を向けていた。
部長の横顔は真剣そのもの。
仕事の邪魔は出来ないし、恥かしくて部長の言葉をそのまま返すコトも出来ず、黙って執務室を出た。
「今は仕事中です。佐野部長の言葉は立派なセクハラです!」
私は語調を強めて佐野部長に返した。
溺れるようなキスをもう一度したいと心の中では考えていたけど、『キスしたい』なんて答えたら部長に好意を持っていると勘違いされてしまう。
公私混同するオトナ気ない部長を窘めるつもりでセクハラだと訴えた。
どう切り返すか…部長の次の言葉を待った。
「今日は午後から、長尾と3人で六本木の現場に行く。羽瀬お前から長尾にそう伝えてくれ」
仕事の話で返して来た。部長も少し反省したようだ。
「はい、判りました。佐野部長」
私は踵を返した。
「優奈、愛してる。仕事、頑張れよ」
「部長!!?」
不意打ちに言われたその言葉にドキンとした。
私が振り返ると部長はノートパソコンに顔を向けていた。
部長の横顔は真剣そのもの。
仕事の邪魔は出来ないし、恥かしくて部長の言葉をそのまま返すコトも出来ず、黙って執務室を出た。