HONEY TRAP(1)~上司は身勝手な婚約者~
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部長が私の作成した花見の案内チラシに手を加え、回覧板のように皆に回した。
私は長い髪を紺色のドット柄のシュシュで一つに束ねて、気合を入れる。
「今日の羽瀬さん、何だか嬉しそう。いいコトあった?」
宇陀さんが私に問いかける。
「別にいいコトなんてありませんよ」
「そう?」
宇陀さんの詰るような視線。
「ないと言えば嘘になりますけど…」
「羽瀬さん…彼氏いるの?」
私は持田課長と仕事の話をしている佐野部長に目をやる。
仕事の話に夢中で私達の話は訊いてなさそう。
「今は居ません…仕事が彼氏です」
「いないのか…羽瀬さん、可愛いからすぐに出来るわよ」
「他の課でも、新入社員の中では、一番可愛いって評判だ」
私の前に座っていた入社3年目の貝塚先輩がノートパソコンを弄りながら話し掛けて来た。
異性に可愛いと言われれば自然と嬉しくなるけど、社長の孫娘だと言う驚愕の事実を隠して入社した手前、余り注目はされたくなかった。
「貝塚さんには気をつけなさい。羽瀬さん。彼は遊び人だから」
「宇陀さん、酷いなぁー」
貝塚先輩、眼鏡を掛けて真面目そうなタイプに見えたけど、遊び人とはギャップのある男性か…
部長の方が遊び人見えちゃうけど、私に一途なのよね。
部長が私の作成した花見の案内チラシに手を加え、回覧板のように皆に回した。
私は長い髪を紺色のドット柄のシュシュで一つに束ねて、気合を入れる。
「今日の羽瀬さん、何だか嬉しそう。いいコトあった?」
宇陀さんが私に問いかける。
「別にいいコトなんてありませんよ」
「そう?」
宇陀さんの詰るような視線。
「ないと言えば嘘になりますけど…」
「羽瀬さん…彼氏いるの?」
私は持田課長と仕事の話をしている佐野部長に目をやる。
仕事の話に夢中で私達の話は訊いてなさそう。
「今は居ません…仕事が彼氏です」
「いないのか…羽瀬さん、可愛いからすぐに出来るわよ」
「他の課でも、新入社員の中では、一番可愛いって評判だ」
私の前に座っていた入社3年目の貝塚先輩がノートパソコンを弄りながら話し掛けて来た。
異性に可愛いと言われれば自然と嬉しくなるけど、社長の孫娘だと言う驚愕の事実を隠して入社した手前、余り注目はされたくなかった。
「貝塚さんには気をつけなさい。羽瀬さん。彼は遊び人だから」
「宇陀さん、酷いなぁー」
貝塚先輩、眼鏡を掛けて真面目そうなタイプに見えたけど、遊び人とはギャップのある男性か…
部長の方が遊び人見えちゃうけど、私に一途なのよね。