退魔術師
冷静な彼女達に対しにわかには信じがたいが蠢く人達の周りに黒いもやみたいなのが現れ徐々に集まりやがては巨大な虫と変わった
その近くに金髪で紫色のドレスを着た宙に浮かぶフランス人形
そして左右にユラユラ揺らめく火の玉のようなもの

うん自分は夢を見てるのだ
コレは現実では有り得ないと

思わず反射的に銃を抜き発砲した

弾は人形を通り抜け後ろの壁に当たった
人形の持つ釜が頬をかすめる
こちらは当たらないのに向こうはあたるのか
恐怖で足がすくむ
俺は死ぬのか
妻と子の笑顔が浮かぶ
と急に地面が遠くなる

彼女が僕の腕を掴んで一瞬で屋根の上に跳んだ

バカ死にたいのか
一喝する口調はキツいが気遣っている風にも見て取れる
迫りくる人形達を物ともせず武器であろう鉄扇を軽々とぶんまわし釜を弾き返す
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