退魔術師
はしゃぐ子供たちの声にハッとして顔を上げる線香の香りが生々しい事件を思い出させまるでついさっき事件が起こったように錯覚させる

子供達は気付いているのだろうか
自分が死んだことに
まだ未来が
将来がある子供達が
なぜこんなことに
警察としては生きて犯人を捕まえたかったが例え逮捕できても決して子供達が戻って来るわけではない

何も出来ない自分に腹が立った
何もしてやれないのか
そう思うと悔しくなった
自分にも同じくらいの子供がいるから気持ちは分かるつもりだ
感情が溢れそうになるのをこらえる

その様子をくみ取ってか彼女が話題をかえる

今日はお兄さん達にも遊んでもらいましょう

子ども達がワーと集まってくきた

まるで生きているみたいだ
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