退魔術師
彼女は人差し指をある方向に向けた
何かを訴えているようだ
退魔師はその何かを読み取るとその方角に彼女を連れて歩き出した

しばらく歩くと駅前のビルに着いた
指差す方向に小さなコインロッカーが置かれていた
駅員によるとビルは今年中に取り壊されロッカーも撤去が決まっていた
事情を話1つのロッカーを開けると中に茶封筒が入っていた
中身は手作りのお守り5個と近くの神社のお守り5個だった
よく見ると封筒は長い間保管されていたのであろう
色あせていた

彼女は少しの間ロッカーの前で立ちつくしていたがやがて退魔師の袖を引っ張ると身ぶり手振りで必死に何かを伝えようとしていた
退魔師は頷くと封筒を懐に入れ今度は別の方角へと歩き出した
次に退魔師が向かったのは近くのデパートだった
そこで彼女にいわれるまま何かを大量に購入し紙袋に詰め最後の場所へと向かった
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