退魔術師
病室には母親と父親らしき人とおじいさんおばあさん、警察官が話をしていた
父親は警察に娘の為に捜査してくださってありがとうございますと何度も頭を下げていた
母親は娘の写真を抱きしめずっと泣いていた

ふいに病室のカーテンが静かに揺れ扉が開き彼女が現れた

警察に一礼すると
『国家察警視庁裏特殊本部退魔師です』
と警察手帳を見せ挨拶した
ご家族の方に会わせたい人がいらっしゃるのでお連れしましたと告げた
退魔師の背後から小さな女の子がひょっこり顔を出した

「ママー！」

それは先日亡くなった笹川蛍ちゃんだった

「ほたるぅー？」

家族は驚きのあまり言葉を失い目を疑ったがあの日のままの娘の姿に目を見開いて叫んだ
母は愛娘を抱きしめようとするがするりと腕をすり抜ける
目の前に自分の娘がいるのにどうしたらいいのかわからないそんな感じだった
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