退魔術師
瞳を閉じた彼に衝撃はなくおそるおそる目を明けると目の前には巨大な氷の華
頂上に番傘を掲げて立つ白虎の姿が
頭上からゆっくりと目の前に降りてきた
その手足には戦闘で付いた物ではない包帯が痛々しい
クルクルと傘を回す後ろ姿はいつもより幼く見えた
この小さな背中に守られているのかと
青龍は自分の力なさを感じた
もう大丈夫だからと
呟く彼女の瞳には以前のような笑顔はなかった
迫りくるドール青龍は慌てて彼女に手を伸ばそうとするが痛みで上手く身体が動かない
力を借りると水の矢を作る
まぎれもなく自分の技だ
他の退魔師の炎や雷の技で圧倒
思わず驚きと美しさに魅了される
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