もう弟なんてやめてやる。
「馬鹿!心配したんだから!」

「…ごめんね」


涙目であたしの手を握って、

穂乃華ちゃんが“良かった…”
と呟いた。



「…穂乃華ちゃん、」

「何?」


あたしね…、気づいたの。

自分の気持ちに。


「あたしも…陸のこと、好き」

「……っ」

「弟としてじゃなくて…1人の男の人として陸が、好きな…の」



目に涙が滲む。

視界がぼやけて、天井が歪んだ。


陸に会いたい。
陸の声が聞きたい。

陸に、触れたい…


「…っ…あたしも、おかしいのかな?陸、も…こんなに苦しかっ…たのかな?」

「っ」


陸が好きだと自覚した途端、
想いが募ってく。


そして想いが募れば募るほど、

胸が痛くて。
きゅうっと苦しくて。


涙が溢れる。
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