もう弟なんてやめてやる。
その瞬間、


「っ」


陸が鞄を持って猛スピードで
教室から出て行った。

それを見届けて、
飯田がふぅ…とため息。



「…あいつ、やっぱり雫のことになるとはえーな」


ふっ、と笑みが零れた。

陸…、


もうお前重症だろ…


どんなに姉弟に戻ろうとしても
どんなに雫と離れようとしても


お前が雫と離れるなんて
無理なんだよ…

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