もう弟なんてやめてやる。
「付きまとってんのは、お前だろ」


ギロッと睨みをきかせても
表情一つ変えない町田に

さらにイライラが募ってく。


「陸くんさぁ、俺のこと嫌いでしょ」

「………」

「雫ちゃんに、全部話していいの?」



フッと鼻で笑う町田は
きっと俺を見下してる。


でも、

雫だけは────、渡せない。

もう2度と離したくない。



「…言えば。言いたきゃ言えばいい」

「へぇ、強気」

「陸!お待たせ」


町田と会話中、
雫が鞄を持って戻ってきて。

町田がニコッと笑った。


「じゃぁ、俺も帰ろうかな。またね、雫ちゃん」

「あ、うん。ばいばい」
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