もう弟なんてやめてやる。
町田の切り替えの早さに
チッと軽く舌打ちが出る。

その様子に
雫が俺を見上げた。



「…町田くんと何話してたの?」

「何も話してないよ?早く帰ろ」

「う、うん…」



本当はもう町田と
関わらないでって言いたい。

俺だけを見ててって
思ってしまう。


けど、

それが正直に言えないのは

やっぱり俺の中で
罪の意識があるからだと思う…



「ねぇ、陸?」

「ん?」

「あの…ね、これ見て」

「え…」



帰り道。

そう言って

雫の首もとからネックレスが
出てきた。

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