もう弟なんてやめてやる。
「あ、あたし汗臭いよ…?」

「大丈夫」

「…あたしも、抱きしめていい?」

「うん」



陸の返事に
あたしは腕を廻した。

ドキドキと脈が速くなる。

きゅうっと胸が、
締め付けられた。



「はは、雫ちっさいからスッポリ収まるね」

「双子なのに変だよね。生まれた時は同じくらいだったのに」

「…雫は女の子だから、ね」

「っ」



どうして、

そんな恥ずかしいこと
平気で言えちゃうの?//


陸があたしを

“女の子”だと

大切に扱ってくれるのが
凄く伝わってくる。


と同時に、

陸は男の子なんだと
改めて思い知らされて。

緊張した。
< 193 / 393 >

この作品をシェア

pagetop