もう弟なんてやめてやる。
コンコン…


突然ドアをノックされて
陸の身体がビクッと跳ねた。

と、同時に着替えるために


「陸…今いい?」

「何?」



ドア越しで雫の声を聞きながら
俺はシャツを脱いだ。


その瞬間、
ガチャ…とドアが開いて。


「………」

「………」



雫と目がバチっと合う。

雫から数学の教科書と
ノートがドサッと床に落ちた。


上半身裸の俺に
みるみる赤くなる雫。

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