もう弟なんてやめてやる。
陸の手がゆっくりと
雫の首もとへ伸びて。

ネックレスの先にぶら下がってる
赤い石に触れた。



「ん?陸?」

「さっき言い忘れたんだけど…これ、大切にしてくれてありがと」



突然の陸のスマイルに
雫がカッと赤くなる。

陸の笑顔なんて小さい頃から
見慣れてるのに、

凄くきゅん、として。


モジモジと雫が動く。



「……雫?」

「り、くは…いつからあたしのこと好き…だったの?」

「…え…気になる?」

「気になる!」



雫の食いつきっぷりに
陸がふはっ、と吹き出した。

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