もう弟なんてやめてやる。
陸から自然とふっ、と
笑みがこぼれる。

これだから雫を
好きなのはやめられない…



「陸ー?これ運んでちょうだい」

「分かったー」



キッチンから聞こえる声に
俺はリビングへと戻った。

そこへパタパタと
雫が戻ってきて。


俺の目が見開く。
危うくお皿を落としかけて…


キャミソールに短パン姿の
雫にドキッと心臓が高鳴った。

雫の無防備な姿には
まともに目を向けられない。

今の時期は特に…


陸の視線がパッと雫から反らした。


「っ」


耐えるようにグッと
拳を握って。


平然を装う…


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