もう弟なんてやめてやる。
「何度だって、謝る。許してなんて言わないから…」

「………」

「飯田くんに言われて、気づいたの。あたしがしたことは間違いだったって。でも、今の町田くんは少し前までのあたしと同じで…だから放っておけなくて…」

「だったらお前にも解るだろ。町田のしてることは、許せない。悪いけど、今あんたと話してる場合じゃないから」

「………っ」



冷めた目で話すと
陸が駆け出した。

向かうは、

─────体育館裏。


『雫ちゃん泣いちゃった』


ズキッと心が痛む。

どうして俺は雫を
苦しめることしか出来ないんだろう…


陸の走ってく後ろ姿を見て、
百合がポタッと涙を落とした。

あたしが、
好きな人を遠ざけたんだ…


────自業自得。

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