もう弟なんてやめてやる。
ガチャ…


自宅の玄関のドアを
開けて。

陸、雫の順で中へ
入ってく。


そしてドアが閉まった途端、
陸が雫の腕を引っ張って。


「!?」


ギュッと抱きしめた。



「…陸?」

「何で、1人で町田と会ったりしたの」


ギクッと雫が硬直。

何も返事がない雫に、
陸が溜め息。



「何かあってからじゃ遅いだろ?」

「…ごめ、んなさい…。でもちゃんと、あたしは陸が好きって言っておきたかったの」

「っ、」



だから1人で町田くんに会ったの…、

そう言って雫は
俺の背中へ腕を回した。
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