もう弟なんてやめてやる。
「どした?」


陸はあまりにもいつも通りで。

あの言葉は、

夢だったんじゃないか
とさえ思えてくる。


「…雫?」

「あ、…あのね!」



パサッ…


「ん?何か落ちたよ?」

「あ!」



雫の目が見開く。
陸がしゃがみ込んで固まった。

落ちたのは、


────小さい袋。


そ、そう言えばここに来る前
眺めてると恥ずかしくなって

カーディガンの
ポケットに入れたんだった。


で、でも何で落ちたの…!?//


雫の顔がカァ…と
真っ赤になってく。

陸はあまりにも衝撃過ぎて
まだ固まったまま。
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