もう弟なんてやめてやる。
「…怖い?やめる?」

「違…くて、緊張して…苦しい…」

「…俺もしてるよ、緊張」



陸が雫の手を取って
自分の胸へ当てた。


「ね?」


ドクンドクンと、
リズムが速い…

雫が笑って陸を見た。



「本当だ!陸でも緊張するんだね」

「…だって雫だから。好きな子と、こういうことするのは男だって緊張する」



“好きな子”

陸の言葉にいちいち
キュンっとする。


陸が、

恋しくて。
愛おしくて。


言葉じゃ言い表されないくらい
大好きで。


涙が出そうになる。

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