もう弟なんてやめてやる。
両手で顔を隠す雫を見て
陸が笑った。

雫の様子に一つ、
陸の中で決意が固まって。


きゅっ、と
唇を噛み締めると…



「…雫、話があるんだけど」

「話?」



陸の真剣な表情に
雫がドキッとして。

フォークを持った手を止めた。



「俺、卒業したら家を出ようと思ってる」

「え?」

「…ごめんね。雫とこうなった時からずっと考えてたんだ」

「…何、で?」



雫の手が震えた。

それって陸と
離れちゃうってこと…?

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