もう弟なんてやめてやる。
「…甘えん坊さん」



陸がいつになく大人しくて
何か変だな、とは

思った。


でも陸が何も言ってこないから
あたしは無理に聞いたりしない…



「……ね、雫」

「ん?」

「今日は一緒に寝よっか」

「ふふ、いいよ。…今日の陸、なんか可愛い」

「…あんまり嬉しくない」

「痛っ」



陸が雫のオデコに
ペチンとデコピン。

ビックリして雫が
額を押さえた。



「…可愛いのは、雫ね」

「え!?り、陸……!?」

「ちょっと移動しようか」



陸が雫の手を引いて
キッチンを出た。

向かうのは、

──────陸の部屋。
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