もう弟なんてやめてやる。
「…じゃぁ、お前とはもう会わない」

「っ、待って!」


特別室から出ようとすると、

ガシッと腕を掴まれて
さらに俺の顔が歪む。



「離せよ」

「もう香水はつけないから!」

「………」

「今日は…しなくてもいいから。だから…」

「………はぁ、」



漏れるため息。

明石が何を訴えているのか
すぐに理解できた。


どうするか、
頭の中で思考を巡らせる。



「…さっさと終わらせたいから、目瞑れよ」

「っ、」


顔を赤くしながら
俺の指示に従うコイツ。

俺は無言のまま
明石に触れた。
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