もう弟なんてやめてやる。
陸の言葉に、
父親と母親の目が見開く。

顔を上げて陸を見た。



「戸籍上、姉弟じゃないってこれで解ったし、今は従姉弟同士でも結婚は出来る。それが分かった今、尚更俺は…雫のこと諦めない」

「っ、」

「お父さん、あたしも!あたしも陸が好きなの」



事実を知っても、

2人の変わらない真っ直ぐな目に
心が締め付けられて。

握った拳にさらに
力を入れた。



「…お父さん」


母親が父親の拳をぎゅっと
握って頷いて。

父親が、


ゆっくりと頷き返した。



「…条件が、ある」

「条件…?」

「陸、お前と父さん達は戸籍に繋がりがなくても今まで通り“親子”で“家族”だ」

「!」

「これからも、“家族”だということだけは忘れないでくれ…」

「っ、」

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