もう弟なんてやめてやる。
飯田が陸ソックリの双子を見て
プッと吹き出すように笑って。



「デカくなったなー、チビたち」

「チビ言うな。俺たちの子どもに」

「はは、悪い。そんな怒んなよ」



ったく、雫が関わると
何も変わってねぇな。



「穂乃華ちゃん、お腹大きくなってきたね」

「でしょ。もう7ヵ月だからね」



穂乃華がお腹を撫でながら
雫と笑い合う。

それを見て
飯田と陸の顔も緩んだ。


ふと、陸の視界に
飯田の顔。



「…気持ち悪いよ、お前」

「なっ、お前こそ気持ち悪い顔で雫のこと見てんだろ」

「見てねーし!」

「嘘付け」

「嘘じゃねーし!」



子どもか、と飯田が溜め息。

< 387 / 393 >

この作品をシェア

pagetop