もう弟なんてやめてやる。
「飯田が居るから大丈夫だよ。それにアイツが言い出したことなんだし、何とかするだろ」

「そうかなぁ…」

「そうだよ。行こ?」



そう言って歩いてく陸の
背中を見つめて、

あたしは慌てて着いていった。


「………」


ジェットコースターの
長い行列の中。

遠目で2人を見届けて
飯田が口を開いた。



「……芹沢、お願いあるんだけどさ」

「分かってる。別に弟くんに詰め寄ったりはしない。…ただ、弟くんの気持ちを知った時の雫が心配なの」

「……そうだな」



もし陸の気持ちを雫が知った時、

雫はどうするんだろう…


陸の気持ちはきっと

勘違いでも、
冗談でも、

何でもない。


“本気”だ──…

< 62 / 393 >

この作品をシェア

pagetop