もう弟なんてやめてやる。
「これでいいの?結構シンプルだよ?」

「これがいいの」

「ふ、分かった分かった」

「もう、何で笑うの?」

「子どもみたいだから」



可愛くて仕方ないから、
なんて言えない。

俺はそのネックレスを買って
雫にプレゼントした。


雫にとってはただの、

“弟に買ってもらったネックレス”

なんだろうな…



「わぁ、ありがとう!」

「無くすなよ」



でも、それでもいい。

雫が笑ってくれるなら
そのネックレスを大切にしてくれるなら


─────それでいい。

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