もう弟なんてやめてやる。
「陸なら朝から受験勉強したいからって、もう学校行ったわよ?」

「え…?」

「雫も見習いなさい。ちゃんと勉強してるの?」



受験勉強……?

ドクンと心臓が騒ぐ。


違う…
陸はあたしを避けてるんだ。

あたしがこうなるの、
全部分かってて…


「あたしもすぐに学校に行く!」

「え、雫ー?!」



バタバタと慌ただしく
階段をかけ上がって、

すぐに制服に身を包む。


陸は優しいから
いつもあたしのこと考えてくれる。

それは小さい時からずっと。


「っ」

なぜか、
涙が出そうになった。


何でこんな時にまで、
あたしを守ろうとするの…
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