もう弟なんてやめてやる。
陸の優しさに胸が詰まる。

次第に涙が溢れそうになって
視界がぼやけた。


早く行かなくちゃ、


陸はきっとまた1人で
我慢して耐えてる。

陸が嘘つくはずなんてないって、
昔から知ってたはずなのに…


「行ってきます!」

「え、雫!?朝ご飯はー?」



顔をぐしゃぐしゃにしながら
飛び出すように家を出た。


走って
走って

学校まで向かって。



B組教室のドアを勢いよく
ガラッと開けた。



「……居たっ」

「雫!?」



陸が慌てて椅子から
立ち上がる。

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